お 隣 さ ん
     
   

       2丁目 八木さん


 
   

高台に住んで32年になるが、4年半前にリタイアしてから周辺を歩き始め、身近に自然を感じた。田があり、川があり、山がある。十分も歩けば天王山の山裾に入り、大都会のすぐ近くなのに自然があふれる。玄関を出て西代橋から西に歩けば釈迦岳からポンポン山、三月末にぬかるんだ稜線の雪道を踏み越え、フクジュソウを鑑賞してきた。北に向かえば金蔵寺を経て小塩山、四月半ば満開間近なカタクリを愛でてきた。

高台のナンキンハゼの街路樹は町のシンボルになった。初冬にすっかり剪定された幹は春先芽生え、初夏には生い茂り、その生命力に驚かされる。そして秋、紅橙黄に緑と色彩に富んだ姿は美しい。小学生の見守りタイ≠している時に気づいたが、朝日を背にして紅葉の並木を眺めるのは格別だ。

高台二号公園のソメイヨシノはとても綺麗だ。京の名所をたずね疲れて帰り、ふと二号公園を見るとわざわざ遠くまで行かなくてもよかったと思うほどだ。でもテングス病に罹っているので手入れしないと七十から八十年といわれる寿命はとても持たないだろう。植え替えにはこの病に罹りにくい西山の自生種ヤマザクラにしたらよい。ヤマザクラが満開の公園を観てみたい。きっと新名所になっているだろう。